11月11日 産経新聞に記事掲載
自民党は保守の矜持 取り戻せ
自民党は自らの存在意義を見失い、いまだ再生の途に立てていない-。鳩山政権を追及し、反転攻勢に向かう絶好の機会だった衆参両院の予算委員会での自民党議員の質問は、残念ながら失望を誘うものだった。一部議員を除いて「民主党はこうだが、私たちの政策はこうだ」という主張に乏しく、保守政党としての矜持も方向性も見えなかったからだ。
「非常に大事な見解だ。また穏当だ」
衆院予算委初日の2日、トップバッターとして質問に立った大島理森幹事長は、集団的自衛権に関する従来の政府解釈を変えないと述べた鳩山由紀夫首相を評価してみせた。自民党の安倍、麻生両政権下で政府解釈の見直しを検討していたことはすっかり忘れ、逆にその実績を否定したかのようだ。これでは民主党との違いは打ち出せない。
加藤紘一元幹事長も同日、鳩山首相に「いま日本で求められているのはナショナルアイデンティティー。この国の原点だ」と迫ったが、同時に「国のアイデンティティーは何か。われわれもまだ提示していない」とあっさり認めた。いったい何が言いたいのか、拍子抜けするばかりだった。
「自民党のアイデンティティーは与党であったことだ。党としての政策理念をしっかりすることをやらないといけない」
谷垣禎一総裁は9日の内外ニュース懇談会でこう語った。現状に甘んじていては、有権者に「思想のない既得権益維持の利権政党」として徐々に見放されていった、これまでの失敗を今後も繰り返すことになる。
鳩山政権の政府筋も「中道左派のわれわれに対し、もっと保守の立場からがんがん攻めてくると予想していた。ちょっとがっかりした」と明かす。
そんな中で、民主党と日教組の癒着を指摘した下村博文氏や義家弘介氏、外国人地方参政権問題を追及した稲田朋美氏ら若手議員の質問は比較的光っていた。自民党再生にとり、世代交代の進展は不可欠だろう。
自民党は平成17年制定の新綱領で「新憲法の制定」や「高い志を持った日本人の育成」、「小さな政府」を主張している。郵政民営化の見直しをはじめ、「社会主義的政策」(自民党幹部)の目立つ民主党との違いを有権者に示すには、この保守の原点に立ち戻る必要があるのではないか。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


