「離婚後もわが子に会いたい」超党派議連で現状打開へ 東京新聞1月26日(月)朝刊より
離婚後もわが子に会いたい―。離れて暮らす親が面会を求めても、親同士の感情のもつれなどでなかなか会えない現状を打開しようと、国会議員が超党派の議員連盟の設立に向けて動き出した。20日には、東京・永田町の衆院議員会館で勉強会が開かれ、当事者や専門家の声を議員らが聞いた。
自民党の下村博文元衆院法務委員長は、日本で毎年約二十万組が離婚し、その約七割に子供がいるとみられる現状を紹介。「先進国の中で離婚後、(親権をどちらか一方の親だけにする)単独親権制度なのは日本だけ。親が別れても、親子の血はつながっている。欧米諸国のように協同親権にし、双方が親子の絆を保てる制度を日本も考えるべきではないか」と指摘した。
その上で超党派議連をつくり、「国として(法改正など)どう支援できるかを考えていきたい」と述べた。
勉強会では、自民、民主、公明、共産党の二十四人の議員や代理人が参加。現状を訴える当事者の声に耳を傾けた。
都内の会社員男性(五七)は離婚後十六年間、三人の子どもと会わせてもらえない状態を切々と語った。男性は、月一回の面会を条件に親権を渡したが、面会を拒否され続けた。裁判所での調停や履行勧告を繰り返しても法的な強制力も罰則もない。会えないまま幼かった二人の娘は成人した。
男性は「成長過程で長年親子の関係を絶たれたことが将来まで影響し、生涯にわたって親子関係を絶ってしまう危険性が高い。このままでは、死ぬまで会うことが出来ないかもしれない。助けてください。」と訴えた。
東京都国立市の女性(四九)は十一年前、元夫と四歳の息子を奪い合った。争いを繰り返し、最後は子どもに会えるならと親権を手放した。その後、一度も会わせてもらっていない。手紙も誕生日プレゼントも受け取りを拒否された。
女性は「同じ境遇の人がこんなにいるのかと驚いた。訴えが大きなうねりになって法も変わり、私のような思いをする人がいなくなれば」と話した。
臨床心理士の棚瀬一代神戸親和女子大教授は、日米の法制度を比較して論じた。米国は単独監護だったが、一九八〇年にカリフォルニア州の民法典が改正され、「離婚後も、子どもに両親との頻繁かつ継続的な接触を保障するのが州の公共政策」とされた。
現在は全州で、何らかの形で共同監護となり、単独監護でも子どもの大きな問題は共同決定されるなど改善された。
棚瀬教授は「改正の背景には(離婚した)父親の当事者の運動や、母性優先から子どもの利益優先に変わったこと、激しい面会交流権の論争などがあった」と説明。
米国では離婚家族や子どもの調査が行われ、別居している親との良い関係の継続が「子どもの精神的な健康に重要だ」という報告も行った。
棚瀬教授は「親同士に恨みや葛藤があっても、子どもは両方の親を必要としている。離婚後も子どもにとっては親だし、別居しても親は子どもに責任がある。子どもの視点に立って考え、原則は両親ともに会わせるべきだ」と語った。
勉強会を主催した「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」(宗像充代表)は、離婚後も双方の親に養育の権利と責任がある共同親権制度の導入などを求めている。
(1月26日(月) 東京新聞朝刊より)
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